発話情報を用いたグループ学習時の貢献度推定手法に関する研究
近年,教育現場において,説明型の講義をeラーニング教材とし,宿題(予習)にすることで,従来宿題であった応用課題を教室で対話的に学ぶ反転授業が注目を集めている.また,平成24年に中央教育審議会から発表された「質的転換答申」では,学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法(アクティブ・ラーニング)への転換が必要であると指摘されており,グループ学習を行う機会は今後ますます増加すると考えられる.
しかし,教師が多数のグループの状態を授業時間内に把握するのには限界があり,各グループでどの程度話し合いが行われ,誰がどの程度教え合いに貢献したかを把握することはできない.そこで,本研究では,グループ学習における各学生の貢献度の可視化を目的とし,音声の言語情報を活用した貢献度推定手法を提案する.また,実際の授業で記録したグループ学習時の音声データから本提案手法により推定した貢献度(客観推定)と,各学習者の発話を全て書き起こしたうえでグループ学習時の様子を撮影した映像を教員が閲覧して評価した貢献度(主観評価)を比較した結果,本手法の妥当性を検証した.