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佐々木研究室

岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 情報システム構築学講座

Posts Categorized / 2013年度

ソフトウェア開発におけるトレーサビリティの単純化方法に関する研究

本論文は,ソフトウェア開発における要求定義から開発工程までに作成される成果物との適合性を検証する上で,必要不可欠となるトレーサビリティリンクの単純化に関する研究である.
これまでトレーサビリティの取得方法や可視化については多くの研究がされているが,本研究のように要求~設計までの上流工程を含む水平トレーサビリティリンクのモデル化とその複雑さを定量的に表現しようとする論文は他に見当たらなく,極めて新規性が高い.しかも,本研究は,それらを2部グラフモデルによってわかりやすく単純化する手法について提案している.更に,実際の開発事例に本提案手法を適用し,トレーサビリティリンクの複雑さが定量的に表現されること及び単純化されることを確認した点は,今後現場で導入できる考え方を示した点で有効性が高い.
ただし,本手法を用いた単純化作業は人手でやる部分が多いため,大規模システムを扱う場合,またはレガシーシステムを変換する場合等は,業務負担が大きくなる可能性がある.そのため,本手法を機械的(形式的)に実行できるようなマニュアル化が必要である.将来的には,自動化できる部分の自動化や,作業を支援するツールが必要となると予想される.この点については,今後の研究課題として研究を継続することとした.

疾患の制約条件を考慮した在宅食事療法支援システムの開発

本研究では,疾患を有する患者の在宅食事療法の継続を支援することを目的とし,PDCAサイクルにより患者自身が食事内容の改善を支援するシステム開発を行った.本システムは,①目標設定,②摂取食事の蓄積,③摂取食事の確認,④料理推薦,の機能を有する.これまで①目標設定,②摂取食事登録,③摂取食事確認機能の実装を行い,システムの操作性,食事管理の可能性について評価を行った.アンケートの結果,登録機能の操作性は問題ないが,栄養バランスの表示だけでは食事の問題点の理解,改善には繋がっていないこと,ユーザにより表示したい栄養素があることが分かった.今後はこれらの結果を踏まえた上での④料理推薦機能を実装し,プロトタイプシステムとして完成させる.また,表示方法,推薦内容の妥当性について医師や管理栄養士からの評価を予定している.

eポートフォリオからのスキル向上要因抽出支援システムの開発

本論文では各成果物に気付き情報や他者からの気付きを付加できる機能やtwitterやfacebook などといったソーシャルメディアに記録されている様々な活動記録(気づき情報や学習成果物の過程)と連携する機能を有したシステムについて述べる.スキルや能力が向上したことは,定期的に能力測定をすることで把握可能であるため,学習者・社会人のスキルを診断する指標である社会人基礎力やITSS,CUBICなどの能力診断の指標を用いる.この能力診断を定期的に行い,能力の向上している期間に行った活動(成果物や過程)を本研究ではスキル向上要因とする.提案するシステムでは日々の学習の学習成果物(ゼミ資料,画像,動画やWebページのリンク)などを自身の気付き情報やスキルのタグ付けと共に記録することや他者からの気付き情報を確認することができる.蓄積されたコンテンツは時系列に表示され,スキル別または科目別に振り返ることができるため,自身の活動をより多面的に振り返るツールとしても有効的である.また,本研究では,学習成果物作成時の思考過程や感情,他者からの気付き情報がスキル向上要因の抽出に役立つと考え,これらの情報をソーシャルメディアから収集することで何気ない自身の気付き情報の収集を試みる.本システムはプロトタイプ(Webアプリ)として実装し,佐々木研究室の学生を対象に,現在有用性の検証を行った.

多肢選択形式作問支援システムの開発

 著者はこれまでに作成ニーズの高い多肢選択形式問題の作問負担を軽減するために,一問一答形式問題を多肢選択形式問題に自動変換する手法について検討してきた.本研究では,正答・誤答選択肢が名詞の問題を対象とする.本手法では,問題文の文末表現を自動変換したあと,自動生成した誤答選択肢を設定することで変換する.正答選択肢と誤答選択肢との類似度は問題の難易度に影響を与えるため,正答との類似度を考慮した誤答選択肢の設定が求められる.著者はシステムのプロトタイプを構築し,収集した誤回答情報より誤答選択肢を自動生成し多肢選択形式問題の作成を行った.システムにより作成された多肢選択形式問題と,通常の多肢選択形式問題を被験者に回答させ解答情報を比較する実験を行い,問題の信頼性を調査した結果,自動生成された誤答選択肢はいずれも適切である可能性が高いと示唆された.しかし,誤回答をどの様な対象から収集するのが良いのかなどについては今後の検討事項とした.

ユーザの興味喚起を促すご当地検定問題推薦システムに関する研究

著者は個人に合わせた項目の面白い・役立つ度合いを推定・推薦できるシステム構築を目的に研究を進めてきた.本研究の第1段階ではfacebookのプロフィール情報を取得し,解答者の興味を推定する.研究のステップを①面白い・役立つとプロフィールの関連性を調査,②面白い・役立つとプロフィールで関連性が見られる問題の傾向を推定,③問題推薦システムを構築,の3段階に分けて進めてきた.①では面白い・役立つとプロフィールの関連性を調査する実験を行い,プロフィール毎で面白い・役立つ観点が異なることが示唆された.②では,実験結果を元にプロフィールごとで面白い・役立つ度合いが異なる問題の特徴を分析して,推定を現在行っている.③では推定した特徴を元に興味推定サブシステムを構築する.

医療情報を利用した災害時要援護者マップ生成システムの試作

 東日本大震災の発生時に,避難行動のために援護を必要とする災害時要援護者の多くの命が失われてしまうことになった.その原因の1つに要援護者の情報が記載された災害時要援護者名簿の作成ができておらず,十分な要援護者の安否確認や支援ができなかったことが挙げられる.このような問題を解決するために著者の所属する研究室では,在宅医療で利用される在宅
医療連携システムの患者情報を平常時に蓄積し,それを利用して災害時に要援護者マップの生成や早期治療の再開を行うという提案がされている.本研究では,その提案に基づいて災害発生時に在宅医療連携システムを利用した要援護者マップ生成システムの試作を行ったものである.

プロジェクト型学習における個人評価手法の提案

近年,プロジェクト型学習(PBL)に対する注目度が高まってきている.特に情報系分野の大学において,ソフトウェア開発を対象としたプロジェクト学習を行っている大学は多い.その理由として,IT 社会において必須であるチーム開発を通して,社会人になってから必要な総合的能力を習得できることが挙げられる.しかし,プロジェクト型学習を受講した学生個人に対する評価は,プロジェクト型学習を実施する際の大きな課題となっている.いまだ評価基準は各大学によって異なり,明確で信頼性,妥当性のある評価手法が確立されていない.本研究では,プロジェクト型学習の信頼性,妥当性に優れた個人評価方法の実現を目的とし,評価者が学習者を評価する際,評価に有効な個人評価材料を与えることを提案する.

小規模店舗魅力発見行動促進システムの構築

近年,大型ショッピングセンターの進出や地方の人口の都心への流出により地方の小規模店舗の数が減少傾向にある.小規模店舗の中には,その地域特有の商品を販売している店も多く,このまま小規模店舗の数が減少していくと,地域の特徴が失われることが懸念される.そこで本研究では,地域の小規模店舗の活性化を目的に,地域住民の回遊行動をスマートフォンで誘発する小規模店舗魅力発見行動促進システムを構築する.

遺伝的アルゴリズムを用いたいわて短角和牛における種牛割り当てのための意思決定支援システムの提案

日本では現在,黒毛和種・褐毛和種・無角和種・日本短角種の4種類の肉用種肉用牛を生産している.中でも,日本短角種は夏山冬里方式で自然交配により生産が行われており,交配の管理が難しい.また,近年日本短角種の生産者が減り,全体の頭数が減少していることに伴い,近親感での交配による近親交配係数(以下,近交係数)が上昇傾向にあることが課題となっている.近交係数が高まると問題を有する肉用牛が生産される確率が高まる危険性がある.そこで,本研究では,頭数が減少している中でも,近交係数の上昇を抑制するための繁殖計画立案システムについて研究開発を行う.なお,本研究対象は,個体情報の蓄積と開示の同意が得られている岩手県産短角牛である.

就職活動での利用を想定した学習成果物管理手法の提案

近年の大学教育においては,学習と評価のパラダイム転換により,学習や評価の方法が変化してきている.学習活動のプロセスを含めた学習成果物や学習履歴データを電子的に記録できる e ポートフォリオが注目されている.しかし,学生が主体的に継続して e ポートフォリオを活用することは難しい.問題点として成果物の蓄積が煩雑,蓄積した成果物の活用が不明確の二つがあげられる.本研究では,e ポートフォリオに蓄積された成果物の有用的な活用方法として就職活動に着目し,これらの問題解決を試みた.本論文では,平成 24 年度のソフトウェア情報学部の就職先から,企業が求める人材像を調査し分析を行った.また,企業のホームページから求める人材像を意味する特徴語の抽出手法や,その特徴語を利用した学習成果物管理手法の提案を行った.

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